私がトレーニングに行っているスポーツクラブには、スタッフがおります。
まあ掃除をしたり、常連さんと談笑したり有料でパーソナルトレーニング的なこともやっているようです。
私がそこに行っているのは近いし安いから、それ以外の理由はありません。
値段の割に器具もそこそこそろっていて営業時間も長いので気に入っています、数年前にゴールドジムからそちらに変わりました。
そこのあるスタッフを見ていると、いつも死んだ魚のような眼をしています(笑)
恐らく年齢は若いのだと思います、でも若さのアドバンテージでもある元気の良さみたいなものは感じられません。
つまらなそうに、器具を掃除して他のスタッフがしているように会員に挨拶もしません。
パーソナルトレーニングのPOPの写真には笑顔で写っていますが、普段のあの態度ではお客さんもそんなに多いとは思えません。
別にいいのです、私は勝手に行って勝手にトレーニングをしているだけなので彼がどんな態度であろうと関係ありません。
暇な高齢者みたいにスポーツクラブにいってスタッフとおしゃべりしたい訳ではないので。
でも…彼を見ていると本当に気の毒な気分になるんですよね。
本当にトレーニングが好きで向上したいなら、郊外のジムではなくて都心のレベルの高い職場で働き自分を高めるべきだと思うんです。
それは若いうちにしかできない、給料安くても修行をしないとある程度の年齢になったらただのトレーニング好きのおじさんになってしまいます。
結局トレーナーも私のような治療家も、個人の技術や人間性が勝負になるのでなんとなく勤めていたのでは給料も上がらないし雑用を続けるだけになってしまいます。
ここからはあくまでも私の憶測です、実際はちがうかもしれませんので悪しからず。
恐らく、学生時代は部活に打ち込んでスポーツが好きなのでしょう、なのでスポーツの専門学校にいったかもしくは大学を経て就職したのだと思います。
でも、職場ではトレーニング指導なんかは大して求められず掃除をしたり見学にきた方を案内したりつまらない雑用ばかり。
恐らく彼はトレーニングが好きなだけで接客は好きではないのだと思います、なので毎日死んだ魚のような目をして過ごしてるのだと思います。
私も、プロの選手を指導するトレーナーや自分で運動指導のジムを経営している知人友人がいるのでその人達の話を聞くと本当に厳しい世界です。
トレーナーは一部のトップの人や、大手のスポーツクラブで役員などそれなりのポジションについていない限り薄給です。
それは何故か?
私は皆が好きだからだと思います。好きな事を仕事にするって素敵な事だと思います。
ですが、野球やサッカーが好きな人って沢山いると思いますが、それで大成して大金を稼げるのはほんのわずかです厳しい世界ですよね。
実はその業界に関わる裏方の人たちの給料って驚くほど安かったりします。私の友人で日本の大学卒業後、アメリカの大学でスポーツビジネスの勉強をしてその後野球好きでなくても知っているような日本人メジャーリーガーを何人もサポートした友人もいますが、そんなに良い生活はしていませんでした。もちろん、他人にはできない素晴らしい経験をしている訳ですがそれくらい真剣に取り組んでももらえる給料は多くなく毎年のように全米各地を引っ越すという生活を送っていましたが、結婚を機に安定を求め日本に帰ってきて外資系の企業に就職しました。メジャーリーガーと仕事をしたい人は沢山いると思いますので、そのポジションでアメリカで10年以上生活したのは彼の実力なのですが裏を返せば変わりは沢山いるということでもあるんですよね。
分かりやすいところで言うと、ディズニーランドのスタッフはあれだけ会社が儲けていても薄給だし正社員になるのは大変ですよね。
それでもやりたい人が沢山いるから給料を上げる必要はない訳です。給料少なくてもディズニーランドで働ければいいという人が次から次へと応募してきますし。
私が個人的に思うのは、子供は中学校に入る段階で将来なにになりたいか決めておくべきだと思います。
知人の子が青山学院の中等部にいるそうなのですが、同級生たちは「パイロットになりたい」「弁護士になりたい」等明確に目標があると言っていました。目標があるから勉強も頑張れるんですね。仮に、別の仕事がしたくなってもベースである勉学ができるので方向転換もしやすいのです。
なんとなく部活やってその辺の高校に入ってというどこにでもいる普通の高校生の場合は、進路となった時に勉強も好きじゃないけどスポーツは好きだからなんとなーくスポーツの専門学校にでも行くかって安易に考えがちです。
就職してどれくらいの給料をもらえるのか、勤めていて結婚して家族を養えるのか、どうやってキャリアアップしていけばいいのかなど何も考えていないのです。これは親も同じで、子供がやりたい事をやらせてあげたいと漠然と考えていたりします。※親が自営業をしていて事業継承するまで好きな事をやらせたい資産家で相続する財産がある等特殊な事情がある場合は良いと思います。
少子化社会の今、学校も必死です。パンフレットにはプロチームの専属トレーナーをしているようなごく一部の卒業生が華々しく掲載されていたりします。
それを真に受けると大変危険です、中には本当に成功されている方もいますが…
その方々のようにどうしてもトレーニングの世界で食べて行きたいなら、必死で勉強して自分の価値を高めるしかないのです。
先の私の知人のトレーナーたちもものすごく勉強しています、解剖学生理学薬理学にいたるまで最新の知識を常に吸収してそれでも…
正直私からみて裕福なようには見えません。40過ぎても独身で実家暮らしなんて人もいます。※それが悪いわけではありませんが。
あとは、経営者側に入りマネージメントなどでのし上がるしかないでしょうね~意外にも経営側に入るトップのボディビルダーとかって高学歴の方々が多いのでその人達と戦わなければいけませんが…
それ以外では、トレーニングが好きで好きでたまらなくてずっとジムにいられるだけで幸せ!というタイプの人なら良いのかもしれませんが40,50歳になってそれをやるのもどうなのでしょう?
いずれにせよ大変です。
奥さんが看護師さんなど稼げる人なら家庭は成り立つかもしれません、奥さんが公務員なんて人もいましたね。
でも、なんで私がトレーニング業界の厳しさや、進路を考える大切さを書くのかというと…
私もなんとなーくラグビーやって大学いって、サラリーマンになった人間だからです(笑)
八潮の友人は自営業の子が多く私もいつかは独立したいという漠然とした夢がありました。ラーメン屋さんになろうかなど漠然と思っていたところたまたま、開業するハードルがそんなに高くないこの仕事に出会いなんとか開業して食べて行けるようになりましたが…ここに来るまでそこそこ苦労しました。
でも、治療家として食べて行っているのでトレーニングを趣味で行い楽しく生活しています。
そうなんです、仕事じゃないからトレーニングが息抜きだし楽しいのです。
恐らくジムが職場で掃除したりお客さんと談笑したりとかって超絶つまらないと思うし※私はです、別にジムで働いてる人をディスってるわけではありません。
愛想の面では私も人の事言えないので、彼以上に死んだ魚の目をしている事でしょう(笑)
なので、本気でスポーツトレーナーの世界に飛び込んで苦労する覚悟がある人以外は他の仕事に就いた方がいいです。
あとよく中高生に先生の仕事(鍼灸師、柔道整復師)ってどうやってなるんですか?とか興味があります。と聞かれる事がありますが人の役に立つ良い仕事だと思うけど給料も安いし開業しても俺みたいに週一休みで夜も遅いし大変だよと言います、手に職の世界だから若いうちは開店前や閉店後に手技や包帯の巻き方の練習や勉強しなきゃいけないこと沢山あるし、給料安いから同級生達が良い車に乗っていたり遊んでいても自己研鑽に時間を費やさないといけないし、でもその上でやりたいならいいんじゃない?と言います。我々の業界も競争激しいので安易に目指してこんなはずじゃなかったと私のせいにされても気分わるいので現実を教えてあげます。
私の知り合いでも中学や高校しかでてなくても、建築系の会社を興し外車に乗ったり、家庭を持って自宅の他にもマンションを所有して他人に貸すなど不動産のオーナーになっていたり成功している人も沢山います。もちろん簡単ではありませんし本人たちの努力もあります。
見方によっては、キツイし危険と人がやりたがらない仕事、でも世の為に必要な仕事を一生懸命やってお金を稼いでいます。
別に高校まで何も考えてなくても偏差値が高いなら良い大学に入って良い企業に入り頭脳を使う労働をすればいいのです。
ですが、勉強も得意じゃない何も考えてこなかった高校生は収入とかライフプランを優先して進路を決めた方がいいです。
仕事を選ぶときに好きなことじゃなくてもいいんです、生活していくのが大事ですから。
また、人を騙したりする仕事でなければ、人の役にたつ仕事ならなんでも良いと思います。
その上でトレーニングを趣味にした方が、楽しいのではないかと思います。
また、ミシガン州の大学の研究で
適合派…好きな事を仕事にするタイプ 給料が安くても満足できる仕事がしたいと答える傾向が強い
成長派…仕事は続けるうちに好きになるものだと考えるタイプ 仕事は楽しくなくてもいいけど給料がほしいと答える傾向が強い
実は適合派の幸福度が高いのは最初だけで、1~5年以降になると成長派のほうが幸福度、キャリア、収入のレベルが上回るという研究結果がでております。※興味がある方はこちらの記事を参照。
もちろんそういう傾向があるというだけで全ての人が当てはまるわけではありません。適合派の人でもずっと幸せという方もいると思います。
ですが、仕事と言うのは楽しいばかりではありません辛くて面倒で嫌な事もセットでついてくるものです適合派は辛い事があるとそれに失望してしまう人が多いのでしょう。
私も仕事は辛いものだと思っていましたが、管理職をやっていて部下を指導していると「私は楽しく仕事がしたいんです!」と半泣きで言ってきた人間がいましたが「仕事は学校じゃねえんだ勘違いすんな」と誰かのセリフをパクって一喝していました(笑)今思えばパワハラですね。
ではなんで成長派は楽しく生活できているか、それは過去に努力を注いだ分と比例して今の仕事の情熱が増すのだそうです。
確かに私は独立できれば何でもいいと考えていた人間なので最初から治療の仕事に興味があった訳ではありません。
でもやっている内に、どんどん探求心が出てきて面白くなりました。
それでも面白いと心の底から思えるようになったのはこの仕事に入って10年目くらいからでしょうか?
石の上にも三年ですね。
死んだ魚のような目をした彼も良い方向に行くといいなぁ
ではお大事にどうぞ